iPhoneの5Gとは、4Gより高速・大容量・低遅延を目指した通信方式で、iPhone 12モデル以降の対応機種で利用できます。
ただし、5G対応iPhoneを持っているだけでは5G通信になるとは限りません。対応する通信事業者・料金プラン・サービスエリアなども必要なので、仕組みから順番に確認していきましょうね。
iPhoneの5Gとは?4Gとの違いはどのくらい?
5Gとは「第5世代移動通信システム」と呼ばれるモバイル通信の規格です。4Gの次の世代として、高速・大容量通信だけでなく、通信の遅れを小さくすることや、多くの機器を同時につなぐことも想定して設計されています。
iPhoneでは、2020年に登場したiPhone 12シリーズから5Gに対応しました。iPhone 11シリーズ以前では、5Gのサービスエリア内にいても5G通信は利用できません。Appleサポート
では、4Gから5Gになると実際にどのくらい違うのでしょうか。
国際電気通信連合(ITU)が示した5Gの目標性能では、条件によって最大20Gbit/sのピークデータレート、100Mbit/sのユーザー体感データレート、1ミリ秒の遅延、1平方キロメートルあたり100万台規模の接続密度などが示されています。
一方、ITUの資料では4G系の目安として、ピークデータレートが150Mbps〜1Gbps、ユーザー体感データレートが10Mbps、遅延が10〜50ミリ秒といった比較も示されています。ITU+1
違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 5Gの目標・特徴 | 4G系の目安・特徴 |
|---|---|---|
| ピーク通信速度 | 最大20Gbit/s | 約150Mbps〜1Gbps |
| ユーザー体感速度 | 100Mbps以上が目標の一例 | 10Mbps程度が比較例 |
| 遅延 | 用途によって1msを目指す | 10〜50ms程度が比較例 |
| 接続密度 | 最大100万台/km²を想定 | 5Gほど多数同時接続を重視していない |
| 得意な用途 | 大容量通信・高画質動画・多数機器の接続など | SNS・Web閲覧・一般的な動画視聴など |
ここで注意したいのは、この数字は「自分のiPhoneで必ず出る通信速度」を表したものではないことです。
5Gの規格が目指す性能や一定条件での数値と、街中でスマートフォンを使ったときの実測速度は別物です。実際の速度は通信事業者、周波数、基地局との距離、建物、時間帯、混雑状況などによって変わります。
たとえば5Gエリアで動画をダウンロードすると速さを実感できても、混雑した場所では期待したほど速度が出ないことがあります。反対に、電波状態のよい4Gで普段のWebサイトを見るだけなら、不満を感じないこともあるでしょう。
Appleも、5Gアイコンは通信事業者側のネットワーク構成に基づいて表示され、まれに5Gネットワークを利用できない場合でも表示されることがあると案内しています。Appleサポート
つまり、「5Gという表示=必ず高速」「4Gという表示=遅い」と単純には判断できないのですね。
LINEやメールを送るだけなら、5Gの大きな通信能力を生かし切る場面はそれほど多くありません。一方、大容量ファイルの送受信や高画質動画などでは、5Gの恩恵を感じやすくなります。
iPhoneの5G対応機種はどれ?iPhone 12以降を確認
iPhoneで5Gを使えるか知りたい場合は、まず機種を確認しましょう。
Appleは、iPhone 12モデル以降で、対応する通信事業者の5Gモバイル通信ネットワークを利用できると案内しています。Appleサポート
2026年8月時点で整理すると、主な対応世代は次のとおりです。
| シリーズ・モデル | 5G | ポイント |
|---|---|---|
| iPhone 12シリーズ | 対応 | iPhoneで初めて5Gに対応した世代 |
| iPhone 13シリーズ | 対応 | 13 mini・13 Pro・13 Pro Maxを含めて対応 |
| iPhone SE(第3世代) | 対応 | SEシリーズで初めて5Gに対応 |
| iPhone 14シリーズ | 対応 | 14 Plus・14 Pro・14 Pro Maxを含めて対応 |
| iPhone 15シリーズ | 対応 | 15 Plus・15 Pro・15 Pro Maxを含めて対応 |
| iPhone 16シリーズ | 対応 | 16 Plus・16 Pro・16 Pro Maxを含めて対応 |
| iPhone 16e | 対応 | 5G通信に対応 |
| iPhone 17 | 対応 | 5G通信に対応 |
| iPhone Air | 対応 | 5G通信に対応 |
| iPhone 17 Pro・17 Pro Max | 対応 | 5G通信に対応 |
| iPhone 17e | 対応 | 5G通信に対応 |
現在Appleが販売するiPhone 16、iPhone 17e、iPhone 17、iPhone Air、iPhone 17 Proの各ラインも5G対応として案内されています。たとえば日本向けiPhone 17の仕様には、FDD-5G NR・TDD-5G NRへの対応が明記されています。Apple+1
一方、iPhone 11・11 Pro・11 Pro Maxを含むiPhone 11以前のモデルは5G非対応です。
少し間違えやすいのがiPhone SEですよ。
iPhone SE(第2世代)は2020年発売ですが5Gには対応していません。SEシリーズでは、2022年に登場したiPhone SE(第3世代)から5G対応となりました。
そのため「発売された年が比較的新しいから5Gだろう」と判断するのではなく、正確なモデル名を確認することが大切です。
なお、5G非対応だからといって、そのiPhoneが直ちに使えなくなるという意味ではありません。
SNSやLINE、メール、Web検索などが中心で、現在4G LTEの通信環境に不満がないなら、5G対応だけを目的に買い替えるメリットはそれほど大きくない場合があります。
機種選びでは5Gの有無だけではなく、バッテリーの状態、OSのサポート状況、カメラ、画面サイズ、ストレージ、端末価格まで含めて考えるほうが実用的ですよ。
iPhoneで5Gを使うには?必要な条件と設定を確認
5G対応iPhoneを購入しても、電源を入れれば必ず5Gにつながるわけではありません。
Appleが案内している基本条件は、5G対応iPhone・5G対応の通信事業者・5G対応のモバイル通信プランです。さらに実際に5Gで通信するときは、通信事業者の5Gサービスエリア内にいる必要があります。Appleサポート
確認するポイントは次のとおりです。
- iPhone 12モデル以降などの5G対応機種を使っている
- 契約先が5Gサービスを提供している
- 5Gを利用できる料金プラン・契約になっている
- 現在地が5Gサービスエリアに入っている
- iPhoneの「音声通話とデータ」で5Gを利用できる設定になっている
- 必要な場合はSIM・eSIMの利用開始手続きが済んでいる
以前使っていたiPhoneからSIMカードを移した場合も注意しましょう。
Appleは、以前のiPhoneのSIMカードを利用するとき、状況によっては通信事業者側で5Gを利用できるよう設定してもらう必要があると案内しています。Appleサポート
「新しいiPhoneなのに5Gにならない!」と焦ってしまいますが、端末の故障とは限りません。機種→契約→エリア→設定の順に確認すると原因を切り分けやすいですよ。
5Gオート・5Gオン・LTEはどう違う?
iPhoneでは「設定」から5Gの使い方を変更できます。
基本的には「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信のオプション」→「音声通話とデータ」と進みます。デュアルSIMを使っている場合は、設定する電話番号を選択してから確認してください。
選択肢の違いはこちらです。
| 設定 | 動作 | おすすめの使い方 |
|---|---|---|
| 5Gオート | 5Gの効果が小さい場面ではLTEへ自動的に切り替える | 速度とバッテリーのバランスを取りたい |
| 5Gオン | 5Gネットワークのエリア内では5Gを利用する | 5Gを積極的に使いたい |
| LTE | 5GエリアでもLTEだけを利用する | 5Gを使わずLTEに固定したい |
迷った場合は、まず「5Gオート」でよいでしょう。
5Gオートでは「スマートデータモード」が働き、5Gを利用しても大きな効果が期待できないと判断した場合にLTEへ切り替えます。Appleは、この仕組みがバッテリーの節約につながると説明しています。
一方、「5Gオン」は5Gエリア内では5Gを使う設定で、Appleはバッテリーの持ちが悪くなる可能性があると案内しています。
ここは「5G対応なのだから、5Gオンにしないともったいない」と考えなくて大丈夫ですよ。
5Gは必要な場面で使えればよく、LINEやWeb検索など5Gの速度差を感じにくい操作まで常に5Gへ固定する必要はありません。むしろ自動で使い分ける仕組みは、スマートフォンを細かく設定したくない方に向いています。
低電力モードでは5Gの動作が変わることもある
「昨日は5Gだったのに、今日はLTEになっている」というときは、低電力モードも確認してみましょう。
Appleによると、iPhone 12およびiPhone 13モデルでは、低電力モードをオンにすると、ビデオストリーミングや大容量ダウンロードなど一部の状況を除いて5Gが無効になります。iPhone 12モデルでは、該当する場合に5Gスタンドアロンも無効になります。Appleサポート
なお、現在のiOSでは低電力モードの場所も機種によって異なります。Appleの2026年の案内では、iPhone 14以前は「設定」→「バッテリー」、iPhone 15以降は「設定」→「バッテリー」→「電力モード」から低電力モードを変更します。
iPhoneが5Gにならないのはなぜ?故障を疑う前に確認
5G対応iPhoneなのに「5G」が表示されない場合、故障より先にエリア・契約・設定を確認するのがおすすめです。
5Gは対応エリア内で利用する仕組みなので、同じiPhoneでも場所が変われば5GからLTEへ切り替わることがあります。
たとえば、自宅ではLTEなのに駅前では5Gになる、といった動きも不自然ではありません。
確認する順番は次のようにすると分かりやすいですよ。
- iPhoneが5G対応モデルか確認する
- 契約中のプランが5G対応か確認する
- 通信事業者の5Gサービスエリアを確認する
- 「音声通話とデータ」に5Gオートまたは5Gオンがあるか確認する
- 機内モードを一度オンにし、再びオフにする
- 改善しなければ通信事業者へ契約・SIMの状態を確認する
Appleも5Gアイコンが表示されない場合、5G対応プランとエリアを確認したうえで、機内モードをオンにしてからオフにする方法を案内しています。
ネット上では「ネットワーク設定をリセットする」という方法も見かけますが、私は最初の対処としてはおすすめしません。
ネットワーク設定のリセットは、保存しているWi-Fiなどにも影響するためです。初心者の方なら、まずは設定確認や機内モードのオン・オフなど、元に戻しやすい方法から試したほうが安心でしょう。
それでも5G関連の設定が表示されない、契約上は利用できるはずなのにつながらないという場合は、通信事業者へ問い合わせるほうが原因を特定しやすくなります。
なお、iPhone 12モデルでデュアルSIMと5Gを利用する場合、AppleはiOS 14.5以降をインストールするよう案内しています。
日本のiPhoneと海外の「ミリ波5G」は同じではない
5Gを調べていると「ミリ波」「5G UW」などの言葉を目にすることがあります。
ここで気をつけたいのは、海外の記事や動画で紹介されているiPhoneの5G仕様が、日本で販売されているモデルにそのまま当てはまるとは限らないことです。
Appleの2026年5月25日公開のサポート情報では、高周波数帯の5Gネットワークを利用できるのは、米国で販売されたiPhoneを米国で利用する場合に限られると案内されています。
日本向けiPhone 17の仕様では、5Gについて「4×4 MIMO対応5G(sub-6 GHz)」などが記載されています。
普段使う方が周波数帯をすべて覚える必要はありません。
「海外で見た5Gの速度や仕様が、日本の自分のiPhoneでもそのまま再現されるとは限らない」と理解しておけば十分ですよ。
iPhoneの5Gはどんな人にメリットがある?買い替え判断の目安
ここからは、仕様を踏まえた私の考えです。
5Gを使えるという理由だけで、現在問題なく使えているiPhoneから急いで買い替える必要はないと考えています。
大切なのは「5Gに対応しているか」ではなく、「自分が5Gの特徴を生かせる使い方をしているか」です。
たとえば、次のような方は5Gのメリットを感じやすいでしょう。
- 外出先で大容量ファイルを頻繁にダウンロードする
- モバイル通信で高画質動画を見ることが多い
- 写真や動画など大きなデータを外出先で扱う
- 自宅や職場など普段いる場所の5G環境が良好
- データ容量に余裕のある料金プランを利用している
反対に、次のような方は5Gだけを目的に買い替える優先度は低めです。
- LINE・メール・Web検索が中心
- 自宅ではほとんどWi-Fiを利用している
- 現在の4G通信に特に不満がない
- スマートフォンの通信量が毎月少ない
- 生活圏で5Gを利用できる場所が少ない
この違いは意外と重要です。
たとえば、家ではWi-Fi、外ではLINEと地図くらいしか使わない方の場合、スマートフォンが5Gになっても日常生活で体感できる変化は小さい可能性があります。
一方、仕事で大きなファイルを送受信したり、外出中に動画を頻繁に見たりする方なら、高速な5G通信を利用できる環境の価値は高くなります。
さらに忘れたくないのが、高速になればデータ容量まで増えるわけではないということです。
通信が速くなると、高画質動画や大きなデータも待ち時間をあまり意識せず使えるようになります。その結果、使い方によってはモバイルデータ通信量が増える可能性があります。
つまり5Gは「通信量を節約する技術」ではありません。
速度だけに注目するのではなく、契約しているデータ容量とのバランスを見ることも大切です。
これからiPhoneを買うなら5G以外も比較しよう
これからiPhoneを買い替える場合は、5G対応モデルを選ぶのが自然になっています。
現在販売されているiPhoneにも5G対応モデルがそろっているため、以前のように「5G対応か4Gのみか」を最優先で選ぶ場面は少なくなりました。
むしろ、機種選びでは次のような違いのほうが満足度を左右しやすいでしょう。
- 端末価格
- バッテリー性能
- 本体サイズと重さ
- カメラ性能
- ストレージ容量
- ディスプレイ
- 今後どのくらい長く使いたいか
私は、ここが現在のiPhone選びで5Gを考えるときの大切なポイントだと思います。
5Gは「あると便利な通信機能」ではありますが、スマートフォンそのものの使いやすさを単独で決めるものではありません。
そして、5Gと4Gをどちらか一方だけ選ぶものと考える必要もありません。
iPhoneの5Gオートが象徴的ですが、5G対応iPhoneでも必要に応じてLTEを利用します。高速通信が役立つときは5G、それほど必要ないときはLTEという使い分けができます。
「5Gマークを常に表示させること」より、速度・バッテリー・データ容量を自分の使い方に合わせること。
これが、iPhoneで5Gを実用的に使ううえで一番大切だと私は考えています。
まとめ|iPhoneの5GはiPhone 12以降で対応、4Gとの違いは使い方で変わる
iPhoneの5Gは、4Gより高速・大容量・低遅延などを目指した第5世代のモバイル通信です。iPhoneでは2020年のiPhone 12シリーズから対応し、iPhone SEでは第3世代から5Gを利用できます。
5Gの規格上の目標には最大20Gbit/sのピークデータレートや1ミリ秒の低遅延などがありますが、これはiPhoneで常に出る実測値ではありません。実際の速度は通信事業者、エリア、電波状況、混雑などによって大きく変わります。
また、5G対応iPhoneだけでは利用条件はそろいません。5G対応の通信事業者・モバイル通信プラン・サービスエリアも確認してください。
設定に迷ったら「5Gオート」が使いやすいでしょう。5Gのメリットが小さい場面ではLTEへ切り替わるため、速度とバッテリーのバランスを取りやすくなります。
そして、今の4G通信で困っていないなら、5Gだけを理由に急いで買い替える必要性は高くありません。
外出先で高画質動画や大容量データをよく扱うのか、それともLINEやWeb検索が中心なのか。自分の使い方から考えると、5Gが本当に必要なのか判断しやすくなりますよ。
よくある質問
iPhoneはどの機種から5Gに対応していますか?
iPhone 12モデル以降が5Gに対応しています。iPhone 12シリーズは2020年に登場した、iPhoneとして初めて5Gに対応した世代です。
iPhone SEは第3世代が5G対応で、第2世代は対応していません。
iPhone 11で5Gは使えますか?
iPhone 11・iPhone 11 Pro・iPhone 11 Pro Maxは5G非対応なので、5Gサービスエリアにいても5G通信は利用できません。
5Gを利用するには、iPhone 12以降などの対応モデルが必要です。
5G対応iPhoneなのに4GやLTEになるのは故障ですか?
4GやLTEになっただけでは故障とは判断できません。
5Gサービスエリア、電波状況、料金プラン、SIMの契約状態、iPhoneの設定などによってLTEへ切り替わることがあります。まずは契約とエリア、「音声通話とデータ」の設定を確認し、必要であれば機内モードを一度オンにしてからオフにしてみましょう。


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