iPhoneは高い耐水性能を備えていますが、完全防水ではなく、お風呂や水中で自由に使えるわけではありません。
iPhone 7以降の多くのモデルにはIP67またはIP68の耐水・防塵性能があります。ただし、性能は新品時の管理された試験条件で確認されたもので、経年劣化や落下などによって低下する可能性があります。
iPhoneはどこまで防水?機種ごとの耐水性能を確認
「iPhoneは防水だから、多少水に濡れても大丈夫」と考えている方も多いかもしれません。
まず知っておきたいのは、Appleが案内しているのは「完全防水」ではなく、防沫・耐水・防塵性能だということです。
Appleによると、iPhone 7以降の対応モデルは、実験室の管理された条件下でIEC規格60529に基づく試験が行われています。
モデルによってIP67またはIP68に適合しており、耐えられるとされる水深にも違いがあります。
主なモデルを整理すると、次のようになります。
| 主なiPhone | 等級 | 試験上の最大水深 | 時間 |
|---|---|---|---|
| iPhone 17e、iPhone 17シリーズ、iPhone Air、iPhone 16シリーズ、iPhone 16e、iPhone 15シリーズ、iPhone 14シリーズ、iPhone 13シリーズ、iPhone 12シリーズ | IP68 | 6m | 最長30分 |
| iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max | IP68 | 4m | 最長30分 |
| iPhone 11、iPhone XS、iPhone XS Max | IP68 | 2m | 最長30分 |
| iPhone SE(第2世代・第3世代)、iPhone XR、iPhone X、iPhone 8・8 Plus、iPhone 7・7 Plus | IP67 | 1m | 最長30分 |
※各数値はIEC規格60529に基づき、管理された実験室環境で確認された耐水性能の目安です。実際の使用環境で同じ結果が保証されるという意味ではありません。
たとえば、iPhone 12以降の主要モデルはIP68で「深さ6mまで、最長30分間」という試験条件に適合しています。
一方、iPhone 7やiPhone 8、iPhone X、iPhone XR、iPhone SE(第2世代・第3世代)などはIP67で、試験条件は「深さ1mまで、最長30分間」です。
ここだけを見ると、「6mまで大丈夫なら、プールで水中撮影しても平気なのでは?」と思ってしまいますよね。
しかし、6m・30分という数字を普段の使用で保証される安全ラインとして考えるのはおすすめできません。
これはあくまで決められた条件で実施された試験結果です。海、プール、お風呂、シャワーなど、実生活の水回りとは条件が異なります。
IP67とIP68は何を表している?
IPとは、機器がホコリや水の侵入に対してどの程度保護されているかを表すために使われる等級です。
「IP68」であれば、最初の「6」が防塵性能、後ろの「8」が水に対する保護性能を示しています。
iPhoneを見るうえでは、IP68のほうがIP67より高い耐水性能を持つモデルがありますが、IP68なら何をしても水が入らない、という意味ではありません。
特にIP68の試験条件は製品によって異なるため、「IP68」という文字だけを見るのではなく、そのiPhoneが何m・何分という条件で試験されているのかまで確認することが大切ですよ。
iPhoneの防水性能を過信できないのはなぜ?
iPhoneの耐水性能で最も重要なのは、新品時の性能がずっと続くわけではないという点です。
Appleも、防沫・耐水・防塵性能は永続的に維持されるものではなく、通常の使用によって耐性が低下する可能性があると案内しています。
つまり、「購入したときにIP68だったから、3年後も必ず同じように水に耐えられる」とは言えません。
これは中古iPhoneを使う方にとっても、とても大切なポイントです。
落下や経年劣化も耐水性能に影響する
iPhoneは毎日持ち歩くものなので、知らないうちにさまざまな負担がかかっています。
たとえば、次のようなことには注意が必要です。
- 長期間使用している
- iPhoneを何度も落としている
- 本体に強い衝撃を与えたことがある
- 画面やバッテリーなどの修理歴がある
- 本体のフレームなどに変形や損傷がある
- 本体を分解したことがある
Apple自身も、水濡れによる損傷を防ぐために、iPhoneを落としたり、ネジを外すなどして分解したりしないよう案内しています。
私が特に注意したいと考えるのは、「IP68」というスペックと、今手元にあるiPhoneの耐水状態は同じものではないということです。
カタログに書かれているIP等級は、そのモデルが所定の条件で試験されたときの性能です。
数年間使って何度も落としたiPhoneや修理歴のある中古iPhoneについて、購入当初とまったく同じ耐水性能が残っていると判断することはできません。
水濡れによる損傷は保証対象外になることがある
もう一つ見逃せないのが保証です。
Appleは、水濡れによる損傷について保証の対象外になると案内しています。ただし、消費者法のもとで権利が認められる場合があります。
「IP68だから水に入れても、故障したら保証してもらえる」という考え方は避けたほうがよいでしょう。
耐水性能は、事故による水濡れのリスクを小さくするための性能と考えるほうが実用的です。
iPhoneはお風呂・シャワー・海・プールで使える?
結論からいうと、耐水対応のiPhoneでも、入浴しながらの使用や意図的な水没はAppleが避けるよう案内しています。
Appleが水濡れによる損傷を防ぐために控えるよう案内している主な行為は、次のとおりです。
- iPhoneを身につけたまま泳ぐ
- iPhoneを持ったまま入浴する
- シャワーなど強い水圧の水をかける
- ウォータースキーやウェイクボードをしながら使用する
- サーフィンやジェットスキーなどで使用する
- サウナやスチームルームで使用する
- iPhoneを意図的に水没させる
- 極端に湿度が高い環境で使用する
「防水」という言葉から想像する使い方と、メーカーが想定している使い方にはかなり差があることが分かりますね。
お風呂での使用は避けたほうがいい
「毎日お風呂で動画を見ています」という方は、特に注意してください。
耐水性能が高いモデルでも、AppleはiPhoneを身につけたまま入浴する行為を控えるよう案内しています。
お風呂では単に水があるだけでなく、高い湿度や石鹸などに触れる可能性もあります。
「直接湯船に沈めなければ大丈夫」とは言い切れないため、長く使いたいなら浴室への持ち込み自体を避けるのが安全寄りの判断でしょう。
シャワーも「ただの水」だから大丈夫とは限らない
シャワーについても注意が必要です。
Appleは、水圧が強い水や流速が大きい水をiPhoneにかけないよう案内しており、その例としてシャワーも挙げています。
IP等級の水没試験と、勢いよく水が当たり続ける状況は同じではありません。
そのため「6mの水深に耐えるなら、シャワーくらい余裕」と単純に比較することはできないのです。
海やプールで水中撮影するのもおすすめできない
iPhoneのカメラ性能が上がり、海やプールで写真を撮りたくなる場面もありますよね。
しかし、AppleはiPhoneを身につけたまま泳いだり、意図的に水没させたりする行為を避けるよう案内しています。
海やプールで使う場合は、本体のIP等級だけを頼りに水中へ入れるのではなく、使用環境に合った保護方法を考えたほうが安心です。
特に海では真水とは条件が異なりますし、波や水流によって端末に水圧がかかることもあります。
「IP68=水中カメラ」と考えないことが、iPhoneを守るうえで大切ですよ。
サウナは耐水性とは別の問題もある
サウナやスチームルームも避けるべき環境です。
ここでは水だけでなく、高温や高湿度も問題になります。
iPhoneが水に強いかどうかと、高温多湿の環境に適しているかどうかは別の話です。
耐水性能だけを見て「サウナでも使える」と判断しないようにしましょうね。
コーヒーやジュースをiPhoneにこぼしたらどうする?
iPhoneは水だけでなく、対応モデルではソーダ、ビール、コーヒー、紅茶、ジュースなど、一般的な飲み物を誤ってこぼした場合にも一定の耐性があるとAppleは案内しています。
ただし、「飲み物をこぼしても放置してよい」という意味ではありません。
水以外の液体がiPhoneに飛び散った場合、Appleは付着した部分を水道水ですすぎ、その後、糸くずの出ない柔らかい布で拭くよう案内しています。
「濡れたのに、さらに水ですすいでいいの?」と驚くかもしれませんね。
これはコーヒーやジュースなどの成分を本体表面に残さないための対処です。ただし、強い水圧をかけるのではなく、Appleの案内に沿って扱うことが大切です。
石鹸、洗剤、酸や酸性の食品のほか、香水、虫除け、ローション、日焼け止め、油、接着剤リムーバー、毛髪染料、溶剤なども、できるだけiPhoneに付着させないよう注意が必要です。
キッチンや洗面所では、水そのものより洗剤や化粧品などが一緒に付着することもあります。
その意味でも、「iPhoneは防水だから水回りならどこでも安心」と考えるより、水や液体がかからない場所に置くことを基本にするのがよいでしょう。
iPhoneが水に濡れたらどうすればいい?
iPhoneを水に落としたときは、焦って充電するのではなく、ケーブル類を取り外して表面の水分を拭き、風通しのよい場所で乾かすのが基本です。
Appleが案内している手順をもとに、初心者でも迷わないよう順番に整理します。
- 接続しているケーブルやアクセサリを取り外す
- 糸くずの出ない柔らかい布で本体を拭く
- LightningまたはUSB-Cコネクタを下向きにする
- 手のひらにiPhoneを置き、優しく叩いて余分な水を排出する
- 風通しのよい乾いた場所で自然乾燥させる
- 完全に乾くまでは有線充電を控える
扇風機を使う場合は、LightningまたはUSB-Cコネクタへ直接涼しい風を当てると、乾燥が早くなる場合があります。
ここで大切なのは、熱ではなく自然乾燥を基本にすることです。
ドライヤーや綿棒は使わない
早く乾かしたいと、ドライヤーを使いたくなるかもしれません。
しかしAppleは、高温の熱源を使ってiPhoneを乾かさないよう案内しています。
また、LightningコネクタやUSB-Cコネクタの中へ、綿棒やペーパータオルなどの異物を差し込むことも避けてください。
水分を吸い取ろうとしてポートの奥まで何かを入れると、かえって端子を傷めるおそれがあります。
「早く何とかしなければ」といろいろ触るより、余分な水を排出して風通しのよい場所で待つほうが、公式の案内に沿った対処です。
SIMトレイは乾いてから開ける
SIMトレイについても注意しましょう。
Appleは、iPhoneが乾いたことを確認してからSIMトレイを開けるよう案内しています。
水没直後に慌ててSIMトレイを開けるのではなく、まず本体を適切に乾燥させることが優先です。
水没時の対処法にはインターネット上でさまざまな方法が紹介されていますが、Apple公式の手順と異なるものもあります。
迷ったときは、端末メーカーであるAppleの最新案内を優先して確認するのが安全ですよ。
濡れたiPhoneはいつから充電できる?
iPhoneが濡れた場合、完全に乾くまではケーブルで充電しないでください。
Appleは、LightningまたはUSB-Cケーブルを使った充電やアクセサリの接続について、濡れてから最低5時間は経過してから行うよう案内しています。
濡れた状態で充電すると、iPhoneが破損するおそれがあります。
「バッテリーが残り少ないから、とりあえず充電だけしたい」という場面ほど焦りますが、ここは待つことが重要です。
液体検出の警告が出ることもある
iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR以降では、ケーブルやアクセサリを接続した際、LightningポートまたはUSB-Cコネクタ内に液体が検出されると警告が表示される場合があります。
この警告は、濡れた状態で接続を続けて端末を傷めることを防ぐためのものです。
警告が出た場合は「故障した」とすぐ判断するのではなく、まずケーブルを外して十分に乾燥させましょう。
水濡れ後に充電できないからといって、何度もケーブルを抜き差しするのは避けたほうが安心です。
ワイヤレス充電ならすぐ使ってもいい?
ワイヤレス充電に対応したiPhoneの場合も、本体が濡れたまま充電するのはおすすめできません。
Appleは、糸くずの出ない柔らかい布でiPhoneを拭き、乾いていることを確認してから対応するワイヤレス充電マットに置くよう案内しています。
ケーブルを挿さないから水濡れを気にしなくていい、というわけではないのですね。
水濡れ後にスピーカーの音がおかしいときは?
水に濡れたあと、「音が小さくなった」「スピーカーがこもって聞こえる」ということがあります。
これはポートなどに残っている水分が完全に蒸発するまで、一時的にスピーカーやマイクの性能が低下している可能性があります。
Appleは、iPhoneのスピーカー側を下向きにして、糸くずの出ない柔らかい布の上へ置き、水が漏れてこないか確認する方法を案内しています。
すぐに元の音へ戻そうとして、スピーカー部分へ物を差し込んだり、強い風や熱を当てたりするのは避けましょう。
十分に乾燥させても音やマイク、画面、カメラなどに異常が残る場合は、単なる表面の水濡れではなく内部へ影響が出ている可能性も考えられます。
iPhoneの防水性能は「事故への備え」と考えるのが現実的
ここからは、iPhoneを長年使ってきた立場からの私見です。
iPhoneの耐水性能で一番危ないのは、性能が低いことではなく、高いIP等級を見て「水の中で使っても平気」と誤解してしまうことだと私は考えています。
最近のモデルには深さ6m・最長30分という高い耐水性能を備えたものがあります。
数字だけを見ると非常に心強いですよね。
しかし、実際にはApple自身が入浴、泳ぎながらの使用、シャワー、サウナ、意図的な水没などを避けるよう案内しています。
この2つは矛盾しているわけではありません。
IP等級は決められた試験環境での耐水性能を示すものであり、「あらゆる水回りで自由に使用できる」という認定ではないからです。
私は、iPhoneの耐水性能を「水中で使うための機能」ではなく「うっかり水に濡れたときの被害を減らしてくれる備え」として捉えるのが一番分かりやすいと思います。
雨が少しかかった、飲み物を誤ってこぼした、洗面所で水滴が飛んだ、といった日常のアクシデントに対して耐性があるのは大きな安心材料です。
一方で、最初から水に濡れることが分かっている場所へ持ち込むのは別問題です。
特にお風呂やプールで日常的に使う場合、「昨日まで大丈夫だった」という経験が安全性の証明にはなりません。
耐水性能は通常の使用によって低下する可能性があるため、何十回も無事だったとしても、次も同じとは限らないからです。
中古iPhoneではIP等級だけで判断しない
もう一つ、今後ますます重要になると考えているのが中古iPhoneです。
中古端末の商品説明に「IP68」と書かれていても、それは基本的にそのモデル本来の仕様を示しています。
今目の前にある中古端末が、新品時と同等の耐水性能を維持していることまで意味するわけではありません。
Appleも耐水性能が永続的ではないと明示しているため、中古端末では使用年数や落下、修理などによる影響をより慎重に考える必要があります。
これは新品のiPhoneでも同じです。
「IP68だから大丈夫」ではなく、「IP68だけれど、できるだけ濡らさない」。
このくらいの距離感で付き合うほうが、大切なiPhoneや写真、連絡先などのデータを守りやすいと私は考えています。
まとめ:iPhoneは防水でも「水に入れて使える」とは考えない
iPhone 7以降の多くのモデルは防沫・耐水・防塵性能を備え、機種によってIP67またはIP68に適合しています。
近年の主要モデルには、管理された実験室の条件で深さ6mまで、最長30分間というIP68の試験条件に適合するものもあります。
ただし、これは完全防水を意味するものではありません。
Appleは、入浴や泳ぎながらの使用、シャワーなど強い水圧がかかる状況、サウナ、スチームルーム、意図的な水没などを避けるよう案内しています。
また、防沫・耐水・防塵性能は永続的ではなく、通常の使用によって低下する可能性があります。
水に濡れてしまった場合は、柔らかい布で拭いてコネクタを下向きにし、余分な水を排出して風通しのよい場所で自然乾燥させましょう。
有線での充電やアクセサリの接続は、最低5時間は待つことがAppleから案内されています。高温の熱源や、ポート内部に綿棒などを入れて乾かす方法は避けてください。
「防水だから濡らしていい」のではなく、「万が一濡れたときに耐えられる可能性を高める性能」と理解しておくことが、iPhoneを安心して長く使うためのポイントですよ。
よくある質問
iPhoneはお風呂で使っても大丈夫ですか?
おすすめできません。Appleは、水濡れによる損傷を防ぐため、iPhoneを身につけたまま入浴することを控えるよう案内しています。
IP68対応モデルであっても、耐水試験と高温多湿のお風呂では環境が異なります。
IP68のiPhoneなら水中撮影できますか?
IP68だからという理由だけで、水中撮影に適しているとは判断できません。
AppleはiPhoneを意図的に水没させたり、身につけたまま泳いだりすることを避けるよう案内しています。深さ6m・最長30分などの数値は、管理された実験室での試験条件として考えましょう。
iPhoneを濡らしたら何時間後に充電できますか?
Appleは、濡れたiPhoneについてLightningまたはUSB-Cケーブルでの充電やアクセサリの接続を最低5時間は経ってから行うよう案内しています。
ただし、5時間経てば必ず乾いているという意味ではありません。端末が十分に乾いていることを確認し、液体検出の警告が出る場合は無理に充電しないようにしましょう。


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